令和2年12/9~12/13 お試し版移住ツアー参加レポート
丹波篠山市の『お試し版二拠点移住』ツアーに参加してきました。
元々、関西圏の出身なので『丹波篠山』の地名は聞き覚えがありましたが、訪れたことがあるのは1度秋に黒豆を買いに来たぐらい。なんとなく、秋のグルメな街という印象はありましたが、実際にツアーに参加してみるまで、詳しくは知りませんでした。
ツアー中に見た丹波霧
『二拠点移住』は、いつかそんな暮らしができたらいいなと、なんとなく考えてはいました。もともとは京都の田舎出身なのですが、社会に出てからは大阪の都心部、外国の首都暮らし、そのあとは東京住まいと、ほぼ単身赴任の都会暮らしを15年以上続けてきて、少し疲れてきている頃でもありました。そんな折にコロナ禍で在宅時間が増え、子供と過ごす時間が増えたことがいい意味できっかけになりました。都会でのビジネス一直線だった暮らしも一旦立ち止まり、家族と一緒に暮らしていく場所をぼんやり考え直していた頃でした。
お城の周りに建ち並ぶ昔ながらの城下町の風景
里山に囲まれた農村地域の風景
初日、まずは玄関口の『JR篠山口』駅に到着。特急コウノトリで大阪から1時間ほどの旅路でした。改札を出るとスタッフの方が待っていてくれ、駅の中にあるレンタカー事務所までスムーズに案内してくれました。レンタカー登録も事前に済ませて頂いていたので、すぐに出発することが出来ました。長年マイカーを持っていない生活をしていたので、レンタカーの格安手配はとてもありがたい!当初は、これが参加の決め手だったかもしれません。
市内の中心にある市民センターで他の参加者の方、5日間案内してくださるスタッフの方との顔合わせを経て、指定された宿泊施設へ。
市内の中心にはお城
宿泊施設は、農村エリアにある『やまぼうし』さんというゲストハウス。築150年以上の古民家を改装したお宿は雰囲気抜群で、また子供連れだった僕たちには「家族で一棟貸し」という配慮がとても嬉しかったです。4泊させてもらいましたが、まるで自分の家のように自由気ままに使わせてもらって、非日常を体験しつつものんびり過ごさせてもらいました。
100年以上前から人が暮らしてきた古民家
ゲストハウスのある農村の朝
どちらかと言うと旅行先には非日常を求める方なので、滞在プランは今まで縁遠かった『農村プラン』。トラクターを運転する機会などそうないので、アトラクションのようで刺激的でした。2歳の娘も軽トラの荷台が気に入ったようです。
トラクターなど、本格的な農機具を使う体験が出来ました。
都会生まれの子供には刺激的な毎日だったようです。
ツアーの5日間は、毎日いろいろなプログラムが用意されていて、単に名所・見どころを順番に訪問するのとは違い、農業体験などを通して丹波篠山と関わることが出来ました。当初、「グルメな街」という印象だった丹波篠山でしたが、知れば知るほど文化的な歴史の深い土地だということが分かり、これまで意識することのなかった「日本の郷土史」というものにも新たな興味が湧いてきました。そして、案内をしてくれたスタッフさん、体験先で出会った農家の方、立ち寄ったカフェのマスターなど、滞在中に出会った人の多くがこの丹波篠山に惹かれて移住されてきた方たち。みなさんのぶっちゃけた移住トークを聞くことが出来たのが何よりの醍醐味だったように思います。
もちろん、枝豆に猪肉・鹿肉のジビエ、地ビールなど期待のグルメも堪能しました笑
チルドレンズミュージアムで、子供たちの買い物体験の手伝いをしたり、
丹波篠山の陶芸の歴史についてお話を伺ったり、
ツアーへの参加者同士で交流会があったり、
古民家の再生事業を見学したり、
畝の草刈りを手伝ったり、
黒豆味噌づくりを体験したり、
猪肉!絶品でした。
鹿肉!こちらは串焼きローストで。
丹波篠山の地ビール、ZIG-ZAGビール。こちらも絶品。
もう一つ印象に残っていたのは、戦国時代に八上城というお城があったという高城山の登山。ちょうど秋の終わりの時期だったので、名物の『丹波霧』に出会えるチャンスがあるということで、早朝、夜明け前からツアースタッフの方が案内してくれました。晴天の日、前日との寒暖の差が大きいことなど、幾つかの気象条件が重ならないと見ることが出来ないとの事で、とても運のいい体験が出来ました。
高城山の登山口、今は廃社となっている春日神社から登ります。
山頂には、八上城の城主だった波多野氏の石碑
高城山の標高は459メートル。わりと健脚な人なら、30~40分で登れるでしょうか。秋の終わりかけ、林道に敷き詰められた紅葉のあとが美しかったです。登り口には、現在は移転したため廃社となった春日神社がありました。夜明けの静かな時間帯にお参りした神社はとても雰囲気があり、まさに「古刹」という言葉がぴったり。
若干不気味ですが、雰囲気のある神社です。
廃社となって長そうですが、凛とした気配に満ちています。
登山道は、紅葉で覆われていました。
秋もおしまい
山頂に着く頃、だんだんと空が白んで来て、眼下に広がる丹波霧の雲海が刻一刻と色を変化させる姿を堪能できます。山頂から眺めると、丹波篠山の土が分厚い毛布をかぶっているように見えるのですが、この朝霧が土壌にほどよい水分を与えることで農作物の味が一層引き締まるそうです。とても幻想的なひと時でした。
山裾その街並みが乳白色の霧に包まれていました。
夜明けとともに、少しずつ色合いが変化していきます。
終わってみればあっという間の5日間でした。数日間の滞在でしたが、丹波篠山の自然・文化・食・歴史、そして何より滞在中に出会ったみなさんに刺激をもらえた時間でした。なかなか観光旅行では見ることのない、知ることのない、出会うことのない、体験ができたと思います。家族で移り住むための土地を探すというのは、正直気が遠くなるような作業です。今回のツアーでは、丹波篠山の「調べても出てこない」部分と、僕たちを繋げてくれたということが嬉しかったです。こんなに「中の人たち」と出会えるとは思っていなかったし、今後の自分の生き方、暮らし方を考えるうえでとても参考になりました。ありがとうございました。
バイバイ丹波篠山、また来るよ。